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身内への敵対的TOBが成立 関係修復は多難

異例となる身内への敵対的TOB(株式公開買い付け)が成立した。ゼネコン準大手の前田建設は、持分法適用会社の前田道路へのTOBが成立したと3月に発表した。

ただ過程では、経営陣や労働組合が相次いで敵対的TOBに反対。自己資金を流出させる事態にもなっている。前田建設が当初臨んだシナジー効果を生み出せるかは不透明だ。

営業利益を10年後までに5倍に

前田建設は、買付価格3950円で1月21日からTOBを実施。期限は3月12日とした。

買収のねらいは、道路や空港など公共インフラの管理・運営を担うコンセッション事業の拡大。これらの事業の営業利益を、10年後までに現在の5倍である300億円に増やすことを目指している。

前田道路は猛反発

これに対し前田道路は、「前田建設は当社の事業実態を理解できておらず、シナジー効果は生じない」などと反発。

自社の資産価値を意図的に下げる買収防衛策を講じた。

多額の特別配当

前田道路は、1株650円の特別配当を打ち出し、4月の臨時株主総会に諮ると発表。前田道路は600億円以上の現預金を持つが、可決されれば400億円が流出。手元資金が大幅に減少することになる。

同業との協業も

さらに、同業最大手のNIPPOとの資本業務提携の協議に入ると発表。株式の5%程度を持ち合うことで検討していた。

前田建設に歩み寄るも拒否

前田道路は3月上旬、インフラ運営事業で協業検討を提案しTOBの撤回を求めたが、前田建設は拒否した。

対抗策の処理に課題

前田建設によるTOBが成立したものの、関係修復には時間がかかるもようだ。NIPPOとの協業についても、利益相反の恐れがあり、先行きは明るくない。

もっとも、前田建設にとって経営改善は急務だ。

時価総額は1500億円と、2400億円の前田道路に劣る。直近の営業CFはマイナス174億円、純利益は3期連続減と状況は厳しい。

前田道路との早期の関係改善で事業を上向かせられるかが重要になる。

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