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Tik Tokの買収に米政府の壁

人気ソーシャルメディアアプリ「Tik Tok」の運営会社について、米政府が昨年11月、米国での過去の買収について調査を始めた。ロイター通信などが報じている。「世界最大のユニコーン企業」と呼ばれる同社の米国進出の行方はどうなるのか。

すでに米国内で人気に

Tik Tokは、中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)が運営しており、ソフトバンクグループ傘下のファンドも出資している。世界最大のユニコーン(評価額が10億ドル以上の未上場のスタートアップ)とも言われている。

同社は2017年12月、米動画アプリ「Musical. ly」(ミュージカリー)を約10億ドルで買収。Tik Tokはすでに米国内の若者の間で人気になっているという。

情報ビジネス展開できるか試金石

Tik Tokをめぐっては、共和党の上院議員が、安全保障上の脅威があるとして政府に調査を要請した。コンテンツが中国政府に利用され、個人情報などが流出する懸念があると訴えた。

「待った」をかけたのは、対米外国投資委員会(CFIUS)。安全保障上の観点から、国外企業の対米投資を審査する委員会だ。

近年は中国企業による買収を厳しく審査するケースが増えており、中国の対米投資は大幅に鈍化しているという。

CFIUSについては昨年5月、中国のゲーム会社がCFIUSの要求で、出会い系アプリの売却に同意している。今回の騒動は、中国が米国内で個人情報を扱うビジネスを展開できるかの試金石になるとの見方がある。

Tik Tok側も対策

バイトダンスも策を売った。報道によると、Tik Tokの製品・事業開発部門を、中国版Tik Tokから切り離した。また個人情報保管の監査をするコンサルタントを外部から雇ったうえ、米国ユーザーの情報はすべて米国内に保管すると説明。中国政府の関与は受けないことをアピールしている。

さらに、ブルームバーグ通信によると、バイトダンスがTik Tokの持株売却を検討しているという。過半を売却すれば、100億ドル(1.9兆円)になる可能性がある。

日本のユーザーは950万人

Tik Tokは日本では2017年にサービスを始めた。以来、歌に合わせて口パクしたりダンスする動画が作られ、通勤通学時に次々動画が見られるとあって、若年層を中心に流行。2018年に流行語大賞にもノミネートされた。近年は30代以上にも普及しつつある。

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