実務

自社株買いで株価が上がる理由を3分で解説

ソフトバンクグループ(SBG)が3月23日、自社株買いを発表した。すると翌24日には株価が一時21%上昇。自社株買いは、SBGが投資家に、財務体質を強化することをアピールするねらいがあったとみられ、一定成功した形だ。

自社株買いのメリット・目的とは

自社株買いは、企業が発行した株式を買い戻すこと。その後、買い戻した株を消滅させることで、帳簿上から消すことができる。

発行済み株式自体が減るので、一株あたりの利益(EPS)や、株主資本比率(ROE)など、財務の健全性を示す指標を上向かせることができる。

従業員らへのストックオプション(株式を買える権利を与える)や、買収に対する防衛策(自社の持株比率が上がるため)としても使われることがある。

株価が上がる仕組み

株式の発行総数が変動するとすぐに、株価が変動するとは限らない。
投資家からの評価が上がることで、株価が上昇する。

PERの低下

PER(Price Earnings Ratio、株価収益率)は、株価÷1株あたりの当期純利益で求める、株価の割安性を測る指標。数値が低いほど、利益に比べて株価が割安であることを示す。

発行株式数が減少すれば、「1株あたりの当期純利益」の値が増えるので、PERは下がり、より「お買い得」な株だと認識されて投資家の評価が上がる。

ROEの上昇

ROE(Return On Equity、自己資本利益率)は、当期純利益÷株主資本(自己資本)で求める、企業がいかに株主資本で効率的に利益を生んだかを測る指標。高いほど、効率的に利益を生んだといえる。

株主資本(株価×株式数)が減少すれば、「株主資本」の値が下がるので、ROEは上昇し、「効率よい経営をしている」企業だと認識され投資家の評価が上がる。

自社株買いのルール

企業が、自社株買いの連発で株価を意図的に操作できるようになるのは投資家にとって良くない(正当な企業評価ができなくなる)ため、余剰金の範囲内で買戻しができる、など一定のルールがある。

再燃した財務懸念、下げたSBG株

上昇したSBG株だが、26日には大幅安に転じた。

新型コロナの影響で世界的に株価が不安定な中、株式を取得すれば普段より安い価格で現金化されてしまう恐れがあるとして、格付け会社が銘柄を格下げしたためだ。

このように、状況によっては自社株買いが好感されないこともある。
自社株買いが実施されたらすなわち、株価が上昇するとは限らないことに注意が必要だ。

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