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ソフトバンク ウィーワークの取得断念

ソフトバンクグループ(SBG)が、米シェアオフィスのウィーカンパニーへのTOBを取りやめると発表した。SBGは、当事者で合意した「特定の条件」が満たされなかったことを理由に挙げている。

ウィーワークとは

ウィーワークは2010年に創業。100都市に500拠点以上のオフィスを抱えており、日本国内にも26カ所の拠点があるユニコーン(時価総額1000億円以上)だ。

SBGは2017年から出資を始めており、昨年10月の時点で出資総額は91億5千万ドルとされている。関連会社を含めた出資比率は29%とされる。

昨年12月には、国内最大規模の新拠点を「渋谷スクランブルスクエア」の37~41階にオープン。約3500席にはアサヒビールや大日本印刷など大手法人が入居した。

米本社は経営難

国内では規模を拡大しているウィーワークだが、米本社の経営はうまくいっていない。

急成長を遂げた一方、共同創設者のアダム・ニューマン最高経営責任者(CEO)をめぐっては、自身が所有する不動産をウィーワークにリースしたり、商標権を取得して対価をもらったりしたことが、「利益相反」だと批判された。ニューマンCEOは退陣を余儀なくされた。

2019年に予定していたIPO(株の新規公開)は、SBGからの反対もあって取り下げ。格付けはトリプルCプラスにまで引き下げられ、「投機的」よりも低いランクだ。

出資を続けるSBG

ここまで来ても、SBGは支援の姿勢を崩していない。SBGにとっては、いま投資を辞めてウィーワークの業績がさらに悪化すれば、これまで投資したコストを回収できずに終わる可能性があるからだ。

そこにきて、今回のTOB断念。SBGは「充足されていない条件」として

・2020 年 4 月 1 日までに競争法に関する必要な承認を取得すること
・新型コロナウィルス感染症に関連して、WeWork とその事業への制約を課すこととなる、 世界各国の政府による複数の新たな政策が存在していること
・2019 年 10 月の MTA 締結以降に、複数の重要な刑事捜査及び民事調査が新規に開始さ れ、WeWork の財務活動、投資家とのコミュニケーション、アダム・ニューマンとの商取 引、事業及び財政状態などに関する当局による情報請求が進行していること

などを挙げている。

一部報道によると、今回のTOB取りやめについて、ウィーワーク取締役会の特別委員会は、「法的措置も辞さない」という構えを見せている。行方はSBGの孫正義会長への評価にもつながっており、先行きは見通せない。

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