航空会社のスカイマークは、今春に目指していた東京証券取引所への再上場を見送ることになった。日本経済新聞が伝えた。
新型コロナウイルスの影響で世界の航空各社が減便を余儀なくされている。株式市場にも不安が広がっていることから、タイミングを再考することになった。
2015年に経営破綻
スカイマークは2015年3月期、170億円の営業損失の赤字を出して破綻。円安ドル高や燃料費の高騰で収益が悪化し、購入予定だった大型機のキャンセル料などがかさんだ。
破綻前の株式の価値をゼロにしたうえで、投資ファンドのインテグラルやANAホールディングスなどが計180億円を出資した。
新体制には、インテグラル代表の佐山展生氏や、ダイエー再建を担った元日本政策投資銀行常務の市江正彦氏が就任。5年以内の再上場を目指して再出発した。
業績はV字回復
スカイマークは不採算路線から撤退し、機種を一本化するなど経営を改善。すると、16年3月期には15億円の黒字を達成。17年3月期は67億円の黒字とV字回復を成し遂げた。燃油安も後を押した。「定時運航率No.1」をアピールする。
19年3月期の営業利益は72億円に達し、19年10月に東証に再上場を申請した。
新型コロナが直撃
そんな中、水を差したのは新型コロナウイルスだ。
感染拡大の影響でイベント中止や「不要不急の外出」控えが相次ぎ、旅行客が激減。国内線の減便を余儀なくされた。スカイマークによると、23~28日も国内計18路線を減便する。
1株価の下落で向かい風
加えて、新型コロナの影響は世界的な株価下落を起こした。
スカイマークの再上場にあたり、新規公開株(IPO)は現在の同業他社の株価にも大きく影響を受ける。ANAや日本航空の株価も軒並み下げており、いまの状況で再上場すれば、スカイマークの株価は低くなってしまい、既存株主にとって利益は小さくなる。