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セブン、米コンビニ買収断念

セブン&アイ・ホールディングスは3月、検討していた米コンビニ併設型ガソリンスタンドチェーン「スピードウェー」の買収を断念した。国内のコンビニ事業の競争が激化するなかで海外に活路を見出す方針だが、先行きは不透明だ。

セブンが力を入れる海外事業

スピードウェーは、米石油精製会社マラソン・ペトロリアムのガソリンスタンド部門で、米国内でガソリンスタンド併設型コンビニを約4000店展開している。

コンビニの店数増や、ドラッグストアの小売り参入が相次ぎライバルが増えるなか、セブンは海外に活路を見出す。

日本のセブンは、米「セブン―イレブン」とフランチャイズ契約を結び、1974年に東京・豊洲に1号店を構えた。2005年には米社を完全子会社化。現在は国内で約2万店、米国では約9千店を展開。さらに海外15カ国・地域で約4万店を展開している。「近くて便利」のキャッチフレーズが印象的だ。

一方、ファミリーマートは国内外に24000店、ローソンは17000店。セブンにとってスピードウェーの買収は、ライバルを引き離すチャンスだった。

過去最高の買収価格がネックに

今回の買収失敗の大きな原因が買収価格だった。買収提示額は約220億ドル(約2兆3000億円)。交渉が成立していれば、セブンとしては過去最大の買収案件になっていた。

買収交渉が明らかになった直後にセブンの株は売られ、当初から投資家の評価は高くなかった。巨額買収の一方で、収益を想定より上げられないのではないかとの不安があった。

国内コンビニ事業では人手不足問題が影を落としていた。売りにしていた「24時間営業」を見直す店舗が出て話題になった。

そこへきて新型コロナウイルス問題が直撃。経済全体への先行き不透明感が増し、計画断念に追い込まれた。

セブン&アイ・ホールディングスの過去3年間の実績。売上高、当期純利益ともに伸ばしている。COVAVISページより

セブンが進めるコンビニのEC化

実店舗の拡大に苦しんだセブンだが、コンビニのEC化「ネットコンビニ」の本格導入を検討している。

17年から北海道の5、6店舗で試験的にスタートし、18年には100店舗に拡大、今後全国展開する予定だ。

買えるのは、セブン各店舗で販売する商品のほぼ全て。スマホで注文でき、宅配場所も自由に設定できる。注文を受けた店舗スタッフが商品をピックアップし、専門スタッフが配達。お弁当なら温かいまま手元に届くという。

海外の店舗拡大でつまずいたセブンだが、国内では着々と足場を固めている。

セブンが取り組むネットコンビニの仕組み。「統合レポート2018」から抜粋。

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