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会社員も買い手に 広がるスモールM&A

M&Aといえば、企業同士や実業家がするもの、というイメージを持つ人は多いはず。
だが今は、会社員によるM&Aが注目を集めている。背景には何があるのか。

個人向けM&A仲介業者の登場

個人向けM&Aが増加している一因に、売り手と買い手とをつなぐマッチングサービスを展開する業者が登場したことがある。

M&A情報サイトを展開し、仲介も手掛けるトランビは、16年の設立以降、M&Aのマッチング数が22000件を超える。

オンラインM&Aマッチングサイト・プラットフォームとしてトップを走る。

手数料が安い

魅力は手数料の安さだ。

売り手がM&A案件を掲載するのは無料、一方買い手も案件を探すのが無料で、成約時に成約価格の3%をトランビに支払う。

事業の念頭にあるのは、会社員でも手が出せる年商1億円に満たない中小企業。成約価格が低く、手数料が低いためこれまで大手が手を付けてこなかった分野だった。

仲介大手の日本M&Aセンターは18年4月、オンライン事業承継サービス、バトンズを分社化。「スモールM&A」の発掘に力を入れている。

個人M&A 背景に後継者不足

個人M&Aの増加の背景には、後継者不足に悩む中小企業の存在がある。

M&A情報データサイトのレコフデータによると、2019年の事業承継M&Aは606件(公表ベース)と、3年前の倍以上に達した。

2025年に70歳を超える中小企業経営者が245万人になり、半数は後継者が不在という。
廃業すれば多くの雇用が失われることになる。

事業承継を国も後押し


事業承継を改善しようと、国も贈与税、相続税の納税猶予を拡充するなど、事業承継がしやすい環境を整えようとしている。

2018年1月~27年12月の間に相続、贈与で事業承継した場合には、非上場企業の相続税、贈与税が100%納税猶予される。

個人向けM&Aのメリット

個人にとって大きなメリットは、事業をゼロから始めなくて良いという点だ。過去のデータもあり、個人の経営能力で事業改善、拡大することが可能だ。

個人向けM&Aのリスク

一方、経営能力次第では事業を改善できず転落させるおそれもある。自らが経験したことがない分野ならなおさら。ある程度知識や業務経験がある事業を買収した方が良いかもしれない。

個人向けM&Aの方法

個人のM&Aにはどのような方法があるのか。

株式譲渡

売り手企業が買い手に、対価と引き換えに株式を譲渡することで経営権を引継ぐ。中小企業のM&Aで最も多く採用されている。上場企業の場合、市場で買付けが行なわれ、非上場の場合は相対取引が行なわれる。

事業譲渡

企業の事業の全部または一部を他の企業に譲渡すること。工場や土地といった有形固定資産や、従業員・ノウハウなども対象。譲受会社は必要な事業だけを譲り受けることができるが、個別契約が必要になる。

個人向けM&Aを探す方法

前述した仲介業者以外にも、M&A案件を探す方法がある。

直接交渉する

個人のつてや、インターネットなどで、売りに出す企業の情報をキャッチする。顔の見える関係でM&Aを実施するのは、信頼感を醸成する一助になることがある。

金融機関を利用する

取引がある銀行に注文すれば、ネットワークの中からM&A情報を持ち込んでくることがある。買収に必要な資金も金融機関から借りることができるメリットがある。

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