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新型コロナに別の感染症の薬が有効?

新型コロナウイルスの世界的な感染が止まらず、人の移動が止まって経済にも大きな影響をもたらしている。終息が見えない理由は、患者への有効性が担保された特効薬がないからだ。未知のコロナに対して、既存の感染症薬を投与して症状を和らげようと医療現場も試行錯誤している。

有効性が報告された薬も

抗インフルエンザ薬や抗HIV薬、エボラ出血熱の治療薬などが投与され、一定の有効性が報告されている。ただ、一般に流通している薬ではなく、副作用もあるため注意が必要だ。

抗インフル薬 アビガン

アビガンはインフルエンザ治療薬。一般名は「ファビピラビル」という。富士フィルム富山化学が開発した。同社によるとアビガンは、抗インフル薬のなかでも使用が限定されている薬だ。ほかの抗インフル薬が効かない場合で、国が使用を認めたときにのみ患者へ投与する。

中国科学技術省は3月17日、湖北省武漢の患者に対してアビガンを投与したところ、しなかった患者よりも熱を下がるまでの日数が少なかったという。明かな副作用も見られなかった。安倍晋三首相も、薬事承認を目指す考えを示している。

エボラで開発 レムデシビル

アフリカ中央部で感染が拡大したエボラ出血熱の治療薬として開発された。結果的に別の薬剤が有効だということが分かり、現在では投与していない。
新型コロナでは中国と米国で臨床試験が始まっている。中国での試験は4月に結果が出る見通しだ。

ぜんそく薬 オルベスコ

ぜんそくの治療薬。一般名は「シクレソニド」という。吸引ステロイド薬で、国立感染症研究所が有効な可能性があると示した。
国内の複数の病院でも、投与した患者に改善例がみられたという。

抗HIV薬 カレトラ

日本や中国、タイなどで投与された。2012年に中東で感染が広がったMERS(中東呼吸器症候群)の細胞実験で有効性が報告されていたためだ。ウイルスの増殖を邪魔する効果がある。一方で効果が見られなかったケースもある。日本感染症学会が発表した新型コロナの「治療の考え方」では、「低酸素血症を発症し、酸素投与が必要であること」を薬を使う条件にしている。

日本政府の承認は?

「新型コロナに有効な薬」として日本政府のお墨付きがでるのはいつか。
患者に投与して安全性や副作用を確かめる臨床試験をしたうえ、厚生労働省所管の医薬品医療機器総合機構(PMDA)が審査。厚労相の承認を受けると、全国の医療機関で広く使用できるようになる。

安倍晋三首相は28日、アビガンの薬事承認を目指す考えを示し、薬を量産するとしたが、いつ流通するかは明確にはわからない。

そんななか、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は、ワクチン開発に「まだ少なくとも12~18カ月かかる」としている。当面は、かからないようにする対策が重要だ。

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