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米政府がボーイングを救う理由

新型コロナウイルスの影響が、世界の航空機製造を担う米ボーイングにも及んでいる。

雇用の裾野が広い巨大企業を救おうと、トランプ大統領は救済する方針を示したが、多くの企業がコロナの影響にあえぐ中、大企業だけを救う姿勢に批判も出ている。

ボーイング救済請求6.6兆円

ボーイングは3月17日、計600億ドルに及ぶ金融支援を米政府に求めていると明らかにした。

主力小型機「737MAX」が、相次ぐ事故で運航停止が続いたうえ、新型コロナが追い打ちをかけて収益が悪化した。

人の動きが制限され、機材の留め置きなどが発生している。

トランプ大統領「助ける」


これに対しトランプ大統領は「ボーイングを助けなければならない」と明言。

不況による一時解雇(レイオフ)による経済への影響を回避しようという意志が見える。
背景にあるのはもちろん、11月に迫る大統領選だ。

ボーイング取締役が「抗議」退任

一方、ボーイングでは、前米国連大使で取締役のニッキー・ヘイリー氏が退任した。

ヘイリー氏はボーイングにあてた書簡で「連邦政府の救済に頼る動きは支持できない。当社を他社よりも優先し、税金を使って財務を守るようなことはできない」とし、救済請求に反発した。

ヘイリー氏は「将来の共和党の大統領候補」と呼ばれている。
「筋の通った」姿勢をアピールすることで、今後の政治活動を有利にしようという思惑も透けて見える。

航空業界全体を支援

米与野党は航空業界などに対し、5千億ドルに上る航空業界などの金融支援をする経済対策の原案をまとめた。経済対策全体では、2兆ドルになる見通しだ。

5千億ドルは、2008年のリーマン・ショック時に民主党が、自動車大手ゼネラル・モーターズに対してした支援以上の金額だ。
この時は共和党が、巨額の財政支出を批判していた。

当初は民主党も、大企業に厚い救出措置に難色を示していた。
航空業界はこれまで優遇措置を受けると、「自社株買い」で自分たちの株価をつりあげ、雇用にお金を回さなかったからだ。

今回は、業界の監督態勢を整え、失業保険の拡充などにも予算を使うことで与野党が折り合った。

しかし、世界的な人の動きの制限で、歴史的な不況に陥るのは避けられない見通しだ。

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