実務

ベンチャー企業投資に税優遇 2020年度税制改正大綱まとまる

自民・公明両党は昨年12月、2020年度の与党税制改正大綱をまとめた。目玉は、大企業がベンチャー企業に出資したときに税を優遇する制度が盛り込まれたことだ。内容を詳しく紹介する。

財務省が公表した税制改正大綱の説明資料

税制改正大綱とは

税制改正大綱とは何か、はじめに解説する。昨年12月13日付日本経済新聞の内容を引用する。

翌年度以降に実施する増税や減税、新税の導入内容をまとめた文書だ。自公の税制調査会が業界団体や各府省庁の要望を踏まえて議論、12月に決定する。

政府はこの大綱をもとに税制改正法案をつくり、翌年1月の通常国会に提出する。

ときの政治情勢や経済構造の変化を反映している。19年度は消費税率引き上げにそなえ、車・住宅減税を拡充した。

今回の税制調査会長は、自民党の甘利明氏が務めた。

オープンイノベーション促進税制

写真はイメージです

そのなかで、大企業が設立10年未満の非上場企業に1億円以上出資して株式を取得したら、出資額の25%相当を所得金額から差し引いて税負担を軽くする「オープンイノベーション促進税制」が盛り込まれた。

ただし、特別勘定として経理した金額が限度となる。期間は2020年4月~22年3月末だ。

適用要件

財務省の説明資料によると、適用要件は次の通り。

適用対象になるベンチャー企業の株式

オープンイノベーション性の要件を満たすベンチャー企業に対する出資の払込として、経済産業大臣が証明したもの。出資後に企業が提出した資料を、経産省で確認する。

出し手の要件

・ベンチャー企業に直接、またはCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を通じて出資する国内の企業
・特定期間(5年間)中の報告義務

「オープンイノベーション」の要件

・革新性:出資企業にとっての革新性があること
・リソース開放性:ベンチャーの成長へ貢献すること
・ビジネス変革性:出資企業のビジネス変革に寄与する可能性があること

受け手の要件(ベンチャー企業)

・設立後10年未満の株式会社(新設会社を除く)
・非上場企業
・企業グループに属していない など

優遇が取り消される条件

・ベンチャー企業の株式を譲渡した場合
・配当を受けたとき
・発行したベンチャー企業、出資した法人が解散した時
・経産相から承認が取り消されたとき

国外企業への出資も対象

海外のスタートアップに出資する場合は、5億円以上の出資額が条件。投資会社による出資は認めない。

中小企業は1000万円以上の出資で適用される。

大企業の取引網×スタートアップの技術力をうながす

ねらいは、大企業がため込んでいる現預金を活用してもらい、経済を活性化してもらうことだ。2019年12月13日付の朝日新聞によると、約240兆円の現預金が貯められている。

資本金が100億円を超える大企業向けの接待飲食費をめぐる優遇見直しや、研究開発税制の見直しも大綱に盛り込んだ。

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